今現在、今日の時点で空いている貸室は
・地下店舗専用フロアの1室(35㎡)
・3階(40㎡)×2室
の計3室。
当ビルでは貸室が100室あり、年間を通して入居率が平均98%という状況を維持していて、ほぼ満室の状態が続いていおり、解約退去が数件出たときでも入居率は悪くて96%という状態。それでも年間で10件前後の解約は出ています。
ビルの場所は都心部の中央に位置するエリアにあり、新幹線・在来線・地下鉄が乗り入れる駅までのアクセスにも恵まれた立地ではありますが、それでも一旦空室が出ると、入居者が決まらない期間が長い時で6か月近くも続くときがあります。
これは賃料や契約条件等も多少は関係しているのだろうが、不思議なもので、決まらないときはほんとに決まらないし、それどころか、空室の問い合わせすらパタッと止まり続けるときもあり、そうかと思えば一つの空室の問い合わせや内覧が集中したり、申し込みがかぶりそうになることもあります。
今日、空室の内覧に見えられたお客様について。
まずは地下1階店舗専用フロアの1室。ダンス教室を運営している法人のお客様で、ダンスレッスンの増店場所を探しているとのこと。
お店にはスタッフは常駐せず、予めインターネットで予約した不特定多数のお客さんが一定時間ごとに利用する使い方になるのだそう。要するに、ダンスレッスンに特化したスペースを時間貸しするというスタイル。
常駐スタッフが居ない場所に不特定多数の利用者が来て貸室を使用するにはセキュリティの問題がどうしても払拭できません。
扉の鍵は、暗証番号式の電子錠で入室するシステムを設置して、暗証番号もその都度変更するとのことだが、非常時の際など、施設管理者の私たちに場合によっては管理上の不都合が生じるし、1階から上のフロアとは違い、地下フロアだけは閉館時間も決まっています。
常駐スタッフを置くのであれば問題無いのですが。
実は先日も3階空室に同じような問い合わせがあった。その会社はネットサービスの大手企業で、やはりスタッフは常駐せず、リモートスペースと貸会議室の用途として、予めインターネットで予約した不特定多数のお客様が利用するシステム。
貸室はカメラで遠隔監視をするということです。
少し前に、埋まりにくい空室の有効利用のため通常の賃貸借契約ではなく、フリーランスの人たちが気軽に短期間でもオフィスを構えられるようにと、いくつもの小さな部屋に間仕切りしたスモールオフィス(SOHOともいうが)に改装するビルを見かけるようになりましたが、それに近いものだと思います(貸し手がテナントなのかビル直接になるかの違いはあるけれど)。
やはりテナントの常駐スタッフが居ない状態で、不特定多数の人達が入室するという部分にセキュリティ面やトラブル等懸念があるため、仲介の不動産会社担当者から内覧者に説明してもらい、お断りしました。
例えば、繁華街にあるような店舗だけの割とオープンな雰囲気の雑居ビルなら入居者側も使いやすいですよね。
オフィスビルでもこういった使い方でも問題なく賃貸しているビルがあるのも事実だし、時代の流れで、多角的な賃貸(賃借)の形態も受け入れていくこともこれから必要になっていくのだろうとも思います。
今後もこのような問い合わせやが続いたり、既存テナントからもニーズがあればビル側としては検討せざるを得ないでしょうね。
次に3階の2室を内覧に御来館頂いたのは建設コンサルタント会社の方。
今現在居る郊外のビルから中心部の駅周辺エリアへの移転先を探しているそうです。
ここに来られる前も何軒か見てこられたようで、足早にてきぱきと内覧して次の物件を見に行かれた。
感触は悪くはないけど、なんとも言えません。
それから先日、同じ部屋を見に来られたお客様について、少しお話します。
ビジネスマナー教室を展開している会社で、内覧したところとても気に入られ、隣り合わせの2室共借りて、事務所とマナー教室に分けて壁を開口して行き来できるように使いたい、と。
他の物件も見に行かれるとのことだったので、一旦その場を後にされ、夕刻、仲介の不動産会社担当者を通じて、2室申込みたいとの連絡。賃料その他初期費用の見積書と申込書類が欲しいとのことで、担当者に提出。
と同時に、空室募集を停止し、申込書類の提出を待つことにしました。
それから待つこと2週間、申込書が提出されないので、仲介業者の担当者に様子をうかがおうかと思っていたところ、担当者が申し訳なさげな表情で来社し、「こちらの支店の人達はここを借りたいのですが、本社からの稟議が下りないそうなんです」と。
稟議が下りない理由はわかりませんが、まぁ、よくあるパターン。不動産業界あるある。
こっちの人は皆この物件に入居(移転)したいのに、本社の承諾が得られない。
申込書類の提出が長引いている段階でそんなことではないかと予感はしていました。
これは誰かを責めることでもないですね。本社側の予算もあることでしょうし。
予算上が理由であるなら、それなりの打診があれば当社の許容範囲もありますが多少歩み寄ることも不可能ではないのですが、打診もないのであれば、御縁がなかったということでしょう。
空室募集を再開し、次のテナントを探しましょう。
ところで、早いものでもう11月。これから年末にかけて、更に翌年2月頃まではお部屋探しが静かになるシーズンに入ります。
ちなみに当ビルではテナントが解約する際は契約上、3か月前予告なので、9月、10月と解約の申し出はありませんので、12月及び1月に退去するテナントはありません。つまり、退去する側も入居する側も動きが止まる時期ということでしょうね。
ただこれはその地域や経済情勢によっても様々だと思うし、当ビルだけの現象かもしれません。
空いた部屋の分の減益分はテナント入居により戻さなければならないから、年内も諦めずにテナント誘致に全力を注ぎたいですね。
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