ビルの雨漏り ベランダ防水補修

ビルの雨漏り防止のため、ベランダや屋上の防水点検はこまめに行いましょう。

今この記事を書いている時点で日本列島はまだ梅雨明けしていませんが、この梅雨時期にオフィスビルで特に気を付けておきたいのが、ベランダや屋上の防水シートの破れによる雨漏りです。

今回も、当ビルでの実例を挙げながら、お話したいと思います。

 

今年5月のことですが、屋上や下階のベランダを点検していたところ、防水シートの破れを数ヵ所発見しました。

これは5階部分のベランダで、手すり下のベランダの縁の部分に防水の破れと、爆裂箇所もあります。

更に平場にもヘアライン状の破れ箇所があります。後で補修する際に位置が分からなくなるので、マジックでマーキングしておきます。

そして、防水業者によりウレタン防水補修工事を実施。ウレタンは3回重ね塗布しました。

ウレタン防水の塗布範囲を広げ、無事完了。天候にも恵まれました。

破れた原因は、ベランダという特性上、経年の日光による熱や、地震による防水シートの歪みによることもありますし、ウレタン防水の耐用年数は早くて5年、長くても7年といわれています。

そして、特にベランダ縁の亀裂は最も注意しなければなりません。

というのは、この亀裂から浸入した雨水が下階貸室の窓周りに浸透するおそれがあるからです。

実際にベランダでの亀裂により下の貸室内側の窓周りの壁内に雨水が浸透し、カビが発生して更にクロスが紫色に変色してしまうということがありました。

テナントの物品等に被害が生じなかったのは幸いでした。

雨漏りはベランダ防水破れによるものだけでなく、外壁のクラックからの場合もありますが、ベランダがある場合はまずは防水シートを疑うべきと思います。

それから特に古い建物では、ベランダにアスファルト防水層がないという場合もありますので、ウレタン防水の日常点検がより重要になります。

部分的に破れた箇所のみの補修でもコスト的にはいいのですが、部分的な補修ですと、通常、ベランダ隅にある雨水ドレン排水溝への勾配に悪影響を及ぼす場合もありますので、コストはかかりますが、広範囲にウレタン防水を塗布した方が管理上も良いと思います。

 

【屋上・ベランダ防水まとめ】

・ウレタン防水の耐用年数は5~7年。

・ベランダはこまめに点検(月2~3回)し、防水の破れ、細かな亀裂の有無をチェックしておく。

・防水破れ等発見したら、早急に業者手配し補修実施する。

・ウレタン防水の補修範囲は破れ箇所のみの部分補修よりも、広範囲補修とする。

・テナントから「壁が変色している」といった苦情の場合、上階ベランダを点検する。

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