管理人室 改革 -後編-

管理人室改革

大胆な改革…それは管理人室を無人化することです。

先日、ビルオーナーからの提案で「近い将来、管理人室を無人化してはどうか。」と。

近年はビル運営業務の合理化のため管理人室(警備室・防災センター)を閉鎖しているビルが増えている、というのがその提案に至った理由です。

管理人室がいつも不在のマンションは見たことありますが、オフィスビルはどうでしょう。

やはりビルメンテ業者とファシリティマネジメント契約したり、警備会社が一括管理して対応しているのでしょうか。

 

管理人室を無人化、つまりは閉鎖することで課題となるのが、テナントサービスの低下と緊急対応、そして管理人室内にある機能の移設でです。

テナントサービスについては何とかなると思うが、保安設備である火災受信機、非常放送設備、排煙盤、駐車装置制御盤、セキュリティシステム制御盤、エレベーター及び駐車装置の非常用インターホン等々、常に素早い対応が求められるため、人の近くに無ければならない設備。

これらを6階のビル総合事務所に移設するとなると、その移設スペースの確保、コスト、いや、まずは保安上の問題をどうすべきかということですね。

 

以前勤務していたビルでも、同じような移設工事を経験したことがあります。

そのビルは勤務していたとき(2011年)で既に築30年、地上7F・地下1Fの貸室13室の小規模なオフィスビルでした。

1階に管理人室や防災センター等は無いビルで、警備会社などとは契約しておらず(今はどうなっているかわからないが)、自社所有のテナントビルの自社管理(今、私が勤務しているビルも同じだが)。

そして元々4階貸室内に火災受信機と受水槽・汚水槽の各水槽警報盤があり、私が常駐していた管理事務所が6階だったため、制御盤から甲高い警報が鳴り響く度に4階テナントから「警報がうるさい」と連絡をもらい駆けつけるという、状態でした。

そういった状況を改善することでオーナーとも話し合い、移設を実行。

全ての警報盤の移設工事は取引のある電気工事業者で行ったのだが、古いビルということもあり、各所でやはり配線工事が大変だったのを覚えています。

移設にかかった費用は凡そ60万ほど。これが安いのか高いのかは正直分からないが、4階のテナントに警報盤の管理をお願いしているような状況を解消し、管理事務所にもってきたことは非常に大きな改善でした。

 

そして今のビルでも理由は違えど同じような施策を今後検討することになります。

勤務しているビルは以前勤務していたビルの4倍強の面積の特定建築物で、テナントの数も凡そ8倍の数が入居しており、それに伴う管理人室で対応しているテナントサービス等頻度、日常業務の内容、設備のトラブル対応等をデータ化したり、管理人室から移設するもの、移設すべきでないものをまずは検証していく必要がありますね。

 

いつの時代も、一つ便利になれば一つ不便になる。一つ進化すれば一つ退化する。

いずれにせよ、ビル運営の更なる進化のためには、実情に向き合いながらも大胆な変化をしなければならないときもくるのでしょうね。

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