音楽スクールのテナントで、楽器練習のための防音室を設置している場合、防音室の中に火災報知器等の設置が必要です。
今回はこれについてお話したいと思います。
今日は消防署にある書類の届出に行ってきました。
ある書類とは、「防火対象物変更届出書」のことで、当ビルに音楽スクールの入居に伴う貸室仕様変更によるもので、どんな仕様変更かといいますと、防音室といわれるレッスン用のボックス型の個室(写真※ヤマハさんの商品画像)です。
防音室はボイストレーニングなどの小さな1.5畳型、ギターレッスンなどの2畳型、ピアノも置ける3畳型とサイズは用途や楽器に合わせて色々あります。(自分だけの趣味のスペースとして、自宅に欲しいと思うのは僕だけでしょうか。)
防火対象物変更届出書は、今回の防音室を設置する場所・目的・変更前と変更後の貸室内平面図、防音室の仕様書等を添付してビル所有者である当社で作成・提出します。
そして、ビルの貸室内にこの防音室を設置すると、防音室内に火災報知器と火災ベルの設置が必要になります。
これは防音室外で火災が発生した場合、防音室内でレッスン中に火災に気付かず逃げ遅れる恐れがあるからですね。
火災報知器と火災ベルの設置が終わるまでは、使用しないようテナントにお願いしておきます(ここがとても大切です)。
その火災報知器と火災ベルの設置は当社指定業者により実施します(但し、費用は防音室を設置するテナント負担です)。
工事が終わりましたら、業者により「消防用設備設置届出書」を作成・提出していただきます。
ちなみに消防用設備設置届出書には、火災報知器・ベルの設置位置・配線図・試験表などの添付が必要です。
工事をした業者で書類作成・提出します。
これら、工事実施~届出が終わって初めて防音室の使用が可能、という流れになります。
再度まとめます↓
① 防音室の設置
② 防音室内に火災報知器・ベル設置の見積手配(ビル側指定の消防用設備保守業者に)
③ 防火対象物変更届(防音室設置位置等の平面図・資料添付)の作成・提出)
④ 工事実施
⑤ 消防用設備設置届の作成・提出
⑥ 防音室使用可能
当ビルテナント 音楽スクール防音室の消防用設備施工写真です。天井に熱感知器、時計上に赤い火災ベルです。
それから、防音室を設置するときには、床の積載荷重の確認が必要です。
音楽スクールによっては、この防音室を同じ貸室内に数基設置するケースもあります。
防音室は大きなものでなければ一つぐらいの荷重は問題ありませんが、数基増設する場合、防音室を増設する前に、床の積載荷重を考慮する必要があります。
つまり、防音室という重量物を増設した場合の床にかかる負担ですね。
増設前に、防音室のカタログから重量を確認し、更に防音室内に設置するのがピアノであればそのピアノの重量も加算します。エアコンも設置すれば、そのエアコンの重量も含めます。
ちなみにこれらはすべて積載荷重です。
防音室単体の重量は、サイズにより350㎏~750㎏のものまであります。
そして、設置する防音室のすべての積載荷重がわかったら、重量計算に入ります。
専門的な知識が必要な領域になりますので、構造計算の知識がある方が社内に居ない場合は、お付き合いしている建築士の方にお願いしてみましょう。
荷重指針での積載荷重は床スラブで1800 N/㎡のようです。
ちなみに当社では7年前にビルの大規模リニューアルを施工したゼネコンさんの建築士に重量構造計算を依頼しました。
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