今日は早朝から雑排水槽清掃作業がありました。
本来なら例年通り貯水槽清掃作業と同時に行う予定でしたが、業者側の諸事情により、今年は別日程で実施。
早朝4:30~作業開始、
まずは汚水槽から取り掛かりますが、予め汚水ポンプを起動して汚泥を汲み上げしておくのですが、水面に浮いた汚物等は固くなっていることもありますので、柔らかくするために水を投入して、高圧洗浄機で表面を砕くようにしていきます。
これが結構時間がかかる作業です。
ある程度砕けたら、バキュームホースを槽内に投入し、汲み上げます。
ちなみに槽内は30㎡、高さ4ⅿほどあり、汚泥の貯留高は1.5~1.8ⅿほどありますので、バキュームの吸い上げ時間は概ね1.5時間~2時間ほどかかります。
また、汚水臭と硫化水素対策のため排気ファンを起動して十分な換気を行いながら作業を進めていきます。
汚水の吸い上げにより水位が下がったら槽内壁面の高圧洗浄も同時にかけていきます。
ほぼ、吸い上げが終わったら槽内に作業員が槽内に入り高圧洗浄をかけていくのですが、
その前に汚水槽内の硫化水素の濃度測定をします。
今回も許容濃度(10ppm)をオーバーしていましたので、ここは作業員の安全第一ですので、
槽内に入らずにマンホールから時間をかけて高圧洗浄をしていきます。
ちなみにビルの汚水槽等下水施設での硫化水素発生原因は屎尿中の有機化合物の細菌や硫酸塩、洗剤の硫黄や塩素が関係していたりします。
次に雑排水槽に取り掛かります。
汚水槽と同時にバキュームホースを入れてほったらかしで汚泥を吸い上げていましたので、汚水槽清掃終了時には雑排水槽の汚泥吸い上げが終わっています。
汚水槽ほど硫化水素は発生しておりませんので、こちらは作業員が槽内に入り、高圧洗浄をかけてきれいにしていきます。
同時に、フロートスイッチと水中ポンプも点検していきます。
劣化してくると、ポンプが正常に起動しなかったり、満水警報が誤作動したりすることもあります。
経験上ですが、よくある事例としては
➀フロートスイッチの劣化による警報やポンプの誤作動
②排水水中ポンプの老朽化による起動不能
➂制御盤のポンプ用マグネットスイッチの劣化による起動不能
④槽内のポンプ配線の断線起動不良
⑤揚水管の腐食による揚水不能
➀はフロート内部のスイッチ劣化によることが多く、正常に機能しないためポンプが作動しなかったり、満水警報が鳴ったりすることがあります。
②は排水ポンプは経年(7~8年)してくると、インペラーやシャフトの摩耗により揚水しなくなることがあります。
経験上、ポンプは起動しているのに揚水時間がいつもよりかかるというときは、これが原因でした。
➂のマグネットスイッチ
他に制御盤内のマグネットスイッチの不良でポンプが起動しないということもあります。
これも接点部分の摩耗や通電不良が考えられます。
④のポンプ配線が槽内で断線していることもあります。
⑤は過去に、ポンプが起動したままいつまでたっても自動停止しないので、手動で停止させ、もう一方のポンプで吸い上げてから槽内を調べたところ停止しない方のポンプから上の揚水管が腐食して穴が開き、ポンプが吸い上げた汚水が穴から噴き出していた(吸い上げ・吹き出しを延々と繰り返していた)、ということがありました。
通常時は汚泥を汲み上げないと細部まで点検できませんので、この定期汲み上げ清掃時にしっかりと点検しておきたいですね。
この作業による汚水臭が階段室をつたって館内に漂っていますので、テナントが入館する頃までには臭気がないよう換気しておきます。
汚水槽・雑排水槽清掃は順調に進み、特に異状も無く、予定より早めに終了。
次は6か月後の来年4月になります。
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