エアコン洗浄は定期的に実施しましょう!
今回は、このエアコン洗浄の必要性について、実際に当ビルの実施例を交えてお話しさせて頂きます。
「エアコン洗浄の定期実施は当然にやってますよ」というビルオーナーさん、管理会社さんも多いと思います。
また、テナントとの契約上、エアコンの保守管理は使用者であるテナント側に任せている、という場合もあるかと思いますが、エアコン本体の機械の延命・長期維持のためにも参考にして頂けたらと思います。
ちなみに当ビルでは、エアコンは7年前に実施した大規模リニューアル時に、それまでの集中式(ボイラー&クーリングタワー・各室ダクト供給)から、ビル用マルチ式の空冷個別空調システムに入れ替えしています。
ビルマルですから、室外機の台数は少なくて済みますが、当ビルは100室ありますので、室内機は部屋の広さにより1室で1台のみであったり、2台の部屋、3台ある部屋と色々で、計123台になります。
テナントからの「暑い」「寒い」といった場合に、微調整に苦労し、ボイラーなどの保守管理集中式と比べ、現在の空冷個別空調はテナント側で家庭用ルームエアコンと同じように、任意に温度・風量・風向の微調整ができますので空調環境の苦情や機械の調整に時間を取られることがなくなりました。
とはいえ、家庭用エアコンと同じように、冷房の効きが悪ければフィルター清掃をしたり、分解洗浄も定期的に実施必要です。
当ビルではエアコン洗浄は3年サイクルで実施しており、今回2回目の洗浄を先日実施しました。
フィルター清掃を含め保守契約をしている空調設備業者により、テナントの業務時間外である夜間に実施。
ファンモーターに埃が付着しています。そして熱交換器を洗浄したところ、イカ墨のような、真っ黒です…。
少しドブ臭いです。
ちなみにこの貸室(1F)は現在空室ですが、最近まで洋服屋さんが入居していました。
エアコン起動時に臭いもしていたのではないでしょうか。
ここの部屋だけはエアコンは13年経過の古い機種ですが、洗浄後、試運転しとところ洗浄前よりも音も静かで臭いもしなくなり、パワフルさも取り戻したようです。
こちらは上階のテナントの事務所。やはり熱交換器とファンモーターの汚れがあります。
熱交換器の汚れを除去し、ファンモーターも洗浄しキレイになりました。
前回の洗浄前には「エアコンをONにすると臭い」という苦情があり、その後すぐに洗浄実施し臭いの問題が解決しました。
こういった具合で3日間夜間作業で延べ123基の室内機の洗浄が完了。
特に最も汚れが酷かったのが、テナントでは飲食店、共用部分では1階エントランスホールのエアコン(天井埋込み4方向吹き出しの天カセ型)でした。エントランスホールは常時人の出入りで頻繁にドアが開閉して外からの埃を吸い込むことも起因しているようです。
エアコン洗浄の必要性とメリット
・機器本体の不調・寿命による本体入れ替えコストの節約ができる(=延命・維持)。
・熱交換器や周辺部分に付着するカビなどによる起動中の異臭を解消できる。
・機器本来の能力が復帰する。
洗浄実施について
・洗浄は3年~長くて5年サイクルで実施。但し、テナントの業種(飲食店や路面店の服屋など)により、また、共用部分ならエントランスホールなど場所により特に汚れるペースが早いエアコンは1年に1回のペースで実施検討必要。
・テナントの業務時間外に作業する。24時間営業のテナントなら、最も影響の少ない時間帯でテナントと調整する。
・契約によりエアコン洗浄等維持管理はテナント側で実施すべき場合は、上記サイクルでの洗浄実施を勧め、洗浄実施しないことによるデメリット(機器の不調・異臭等)と実施によるメリット(延命維持による修理費用等の出費予防)を説明してあげることも必要。
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