夜逃げについて

滞納・夜逃げについて

夜逃げされた経験、ありますか??

いきなりこんな質問は戸惑いますよね

ここ最近は夜逃げなんて、あまり聞かなくなりましたけども

私のこれまでの経験から、

夜逃げされない 或いは
夜逃げされても
困らないための施策をお話したいと思います。

当ビルでも過去に賃料不払いのまま夜逃げされた経験が数回あります。

これはあくまでも夜逃げと判断された場合の対応です。

①連帯保証人に連絡
②明渡しを求める契約解除及び不払賃料の支払いを求める訴訟提起
③強制執行による室内立入り(②の判決確定後)
④残置物の換価処分及び片付け、原状回復実施
⑤敷金充当精算(滞納賃料や原状回復費に充当)

といった法的手続きに沿って対応し、処理してきました。

(顧問契約している弁護士がいれば、すぐに相談しましょう。)

ただ、例えば連帯保証人が居ない場合や、連絡が取れない場合は、やはり滞納賃料、原状回復費用、更には強制執行にかかる費用等、すべて回収することはできませんでした。

 

そこで、滞納(ここでは、2か月分以上の滞納の場合です)しているテナントの、夜逃げしそうなサインが必ずあります。

①従業員が急に見かけなくなった(人員が減少した)・休業日が増え
②物品をまとめていたり、搬出している
③集合ポストがたまっている
④社長又は経営者の様子がおかしい(表情など伏し目がちになる)

 

特に①②ですが

①は従業員も知らずに夜逃げするパターンもありますが、わかりやすいのが急に人員が減少し、休業日が増えたと感じたら注意。給料不払いで従業員が居なくなるケースや、解雇によることもあります。

②は明らかな夜逃げ準備ともいえる作業です。以前、賃料を数か月滞納していたテナントが日中に店内の物品・備品を廊下側にまとめて出していたので、どうしたのかと聞いたところ、「床を清掃するため一旦外に出している」と。

翌日、そこはもぬけの殻になっていて店主とは連絡が取れないということがありました。

物品等まとめたり片付けているのは貸室内に入らない限り分かりませんし、物品を夜中に運び出していた、というケースもありますので、普段、そのテナントの周りを見たり、在室しているときに訪問してコミュニケーションを取りながら変わった様子がないか確認するのも一つの方法です。

 

このような兆候が見られたときは、極力、経営者や責任者に連絡を取り(できれば直接会う)、支払についての率直な話しをしていました。

実際、話を聞くことで、どう考えているのか、どうしようとしているのかがわかることもありますし、夜逃げを回避できる場合もあります。

中には「明日必ず支払うから取りにきてほしい」と言われ、翌日行ったら扉に「当面業務停止する」旨の貼り紙があり、そのまま連絡が取れずということもありましたが、その場合はもう仕方ないと思いますので、前述①~⑤までの措置に移行していきましょう。

例えば当ビルの場合、賃貸借契約で、2か月分に相当する賃料の不払いがあった場合は賃貸人は賃貸借契約を解除することができることになっているのですが、遅れ遅れでも入金がある限りは解約し退去させることは法的にはできません。

ただ、遅れ遅れの入金も完全に停止するようでしたら、注意が必要です。

そして、このようなリスクを回避するために、当ビルでは保証委託契約を導入しています。

今や貸室の賃貸借契約には賃貸人と賃借人との契約に加えて、賃借人が万が一、賃料の支払いが滞った場合に賃貸人に対して賃料等の支払いを一時的に肩代わりしてくれる保証契約が必須になりつつあります。

これは居住用物件の賃貸借契約でも同じですし、最近よく見掛けるトランクルームやバイクガレージなどの貸倉庫も、契約には保証契約も必須ですよね。

私も最近、自宅近くに月極駐車場を借りたのですが、保証契約もしっかり締結しました。

当ビルでも新規入居の際は保証契約必須とさせて頂いています。

以前は保証会社を導入する前は、新規テナントとの契約前は当社にて審査(東京商工リサーチの企業情報や、決算書類の閲覧)していましたが、やはりそれでもわからないこともあり、個人事業主などは不十分でした。

しかし保証会社への加入を導入することで、保証会社の厳しい審査で危険を回避できたり、滞納や解約時の原状回復費まで、手厚い補償が受けられるようになりました。

ただ、創業の古い企業や大会社と言われる規模の大きな企業は保証会社の加入に難色を示す場合がありますので、その場合は条件として、敷金の増額(+1か月分など)をお願いするなどして、柔軟に対応しています。

ちなみに保証限度額は、以前は賃料の6か月分までが限度でしたが、訴訟において口頭弁論の終結(判決まで)に2年もかかるケースもあるため、今ではほとんどの保証会社も賃料の24か月分までと、保証限度が大幅に拡大しています。

回収できない場合でも、すぐに新しいテナントを入れて賃料収益を図るほうが遥かに効率的だと思います。

まぁ、いくら保証されるとはいえ、訴訟で争いになり2年も滞納状態のままというのは現実的ではありませんが、入居時に賃借人に保証会社と保証委託契約を締結していただくことで、賃借人も万が一の場合でも支払いができますし、賃貸人にとってもそれが担保になり、万が一夜逃げされても、回収不能ということは回避できますよね。

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